2012年8月 4日 (土)

閉め切って換気しないとラドン被曝が増える

部屋を締切ると被曝量が増える? (じゃーなるくらぶ)

福島で大気中の放射性物質吸入による内部被曝をおそれて窓を締め切っている方がおられるという”噂”をたまに聞きます。放射性物質が大量に降り注いだ原発 事故直後はそれが正解でした。では2012年の現状で窓を締切るとどうなるのでしょうか?コンクリート建築で換気を止めると室内に放射性物質のラドンがこ もるので被曝量が逆に増加するはず...。資料をもとに考察してみます。

これは意外,コンクリートの壁からラドンが放出されるので閉め切っているとラドンの濃度が無視できないぐらいに増え,むしろ被曝量が増えるというお話.
砂塵が飛んで来ないぐらいの状況なら換気したほうがいいのですね.

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2012年7月31日 (火)

WBCのことなど

震災リンクに追加しました.

7月21日,28日放送のラジオ福島,早野先生・坪倉先生・斗ヶ沢さんを迎えて聞くホール・ボディー・カウンターのことなど..(youtube)

ホールボディーカウンター~調べてわかった被ばくの現状Ⅰ~

ホールボディーカウンター~調べてわかった被ばくの現状Ⅱ~

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2012年7月23日 (月)

陸中山田

20120723_0

遠い...
片道5時間弱,今日走った距離700km弱.
写真は駅のあった場所です.
至るところ空き地の状況です.
親しみのある名前の街,一日も早く復興して頂かないと..

トイレを借りたスーパーの通常店内アナウンス
『大きな地震の揺れを感じましたら慌てず落ち着いて店員の誘導に従って避難して下さい.』
高台への避難路についても案内してた.

帰り道,『今日は直帰』と会社に連絡したあと,某現場から電話あり
『施工報告書と出荷証明書,明日の午前中持ってこい.』
えー,今日の明日?っていうか19時の10時?ふにゃ~

会社に戻って書類作り,家に帰ってメシ食ったのが2200.
明日は0700出発で持っていかなきゃ.

その後新しい現場の打ち合わせに行って,会社に戻ってまた書類作り,夜中まで.
明後日,明々後日は十和田の現場...

いわゆるデスマーチ状態ですねえ

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2012年6月29日 (金)

NHKでさえ..

NHKが昨年末放送した『追跡!真相ファイル・低線量被ばく 揺らぐ国際基準』の内容は

“生涯100ミリシーベルトとされる被ばくの基準で、本当に健康への影響はないのか?”
福島をはじめ、全国の人々が現実に直面している放射能の脅威。
国は「直ちに体への影響はない」と繰り返すばかりだ。
その拠り所としているのが、ICRP(=国際放射線防護委員会)の勧告。
広島・長崎の被爆者の調査データをベースに作られ、事実上の国際的な安全基準となっている。

しかし関係者に取材を進めると、1980年代後半、ICRPが「政治的な判断」で、被ばくでガンになるリスクを実際の半分に減らしていた事実が浮かびあがってきた。
当時ICRPには、原子力産業やそれを監督する各国の政府機関から、強い反発が寄せられていたのだ。
そしていま、世界各地で低線量被ばくの脅威を物語る、新たな報告や研究が相次いでいる。

というもの.
これに対してICRP国内委員が,

番組の主張は、英語翻訳における意味のすり替え、事実の隠匿、音声記録の改竄など、を通じて捏造された情報に基づいてなされており、虚偽である。これは視聴者から正しい情報を知る権利を奪い、かつ正しい情報に基づいて自ら判断することを損なう点で、放送倫理基本綱領に違反する。
これらの情報操作は、国際放射線防護委員会(ICRP)とその関係者への取材内容についてなされている。これは ICRP の名誉を傷つけるのみならず、善意で取材に応じ誠意をもって質問に答えた ICRP 関係者の信頼を裏切る点で、人間社会のもっとも基本的な倫理に抵触するものである。

としてBPOに提訴しました

提訴状を読む限り,NHKが『DDREF(線量・線量率効果係数)という技術用語を、低線量リスクと意図的に言換えている』のが事実であれば,『ICRPが「政治的な判断」で、被ばくでガンになるリスクを実際の半分に減らしていた』とする放送内容はNHKの誤認か意図的なすりかえと言われてもしょうがないような気がします.
いずれにしましても,NHKの放送内容だけが一人歩きするのは公平性を欠くものだと思います.

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2012年6月27日 (水)

やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識

これはまた田崎晴明先生のグッジョブなお仕事
私も拡散させていただきます.

やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識

普通ではない15ヶ月間を過ごしてきたすべての人へ  --- 敬意と感謝と言葉にできない思いをこめて

放射線に関連する基礎知識をまとめた本を公開しています。 できるだけ分かりやすく正確に書いたつもりなので、一人でも多くの人に読んでいただければ幸いです。 よろしければ、色々な人に教えてあげてください。

全173ページの本のPDFファイルが無償でダウンロードできます.
震災リンクに追加します.

内容は一般の方には濃密でハードルがやや高いかもしれません.
しかし,ゆっくり,少しずつでも読み進めていく価値があります.
(中学生あたりにも理解できるように配慮して書かれているとのことです)

一方,世の中にはメディアに多く露出するセンセイが,市民の立場に立っているように見せかけ,デマを交えていたずらに不安を煽るような本を出していたりします.
それらはわかりやすくても『わかった気にさせる』本にすぎません.
田崎先生のファイルはそんな本を百冊読むよりも有用だと思います.

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2012年5月25日 (金)

がれきの焼却

受け入れ問題でいろんな反応があるわけですが.
とりあえず,

『焼却炉の温度が1,200℃,セシウムの沸点が671℃なのでセシウムはガス化してフィルタでは除去できない.』

とかメディアに出没するひとまでもが言っているような話は違うみたいなので左の震災関連リンクに追加しました.

セシウムの沸点は使えないデータ(京都女子大小波先生)

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2011年12月23日 (金)

わかりやすい解説

物理学者の田崎晴明さんが原発事故の周辺について

『放射線と原子力発電所事故についてのできるだけ短くてわかりやすくて正確な解説』

というわかりやすい解説をまとめられていましたので左リンクに追加します.

物理学者でいらっしゃいますので,放射線の体への影響という部分については専門家ではないかもしれませんが,トータル的なバランス感覚は参考になるものだと思っています.
基本的なことを押さえておいてから,グレーゾーンのことを考えたほうがいいですよね.

世の中にはただ不安を煽るような情報もたくさん存在しますので...

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2011年12月17日 (土)

言葉の定義

『冷温停止状態
もとから存在する言葉のイメージを借りつつ
(他の言葉と組み合わせたりして)
もとからあるほうの意味とは異なる独自の定義をして
それで立場を優位に見せかけて話を進める.
それは造語に近いですね.

『波動』とか,『マイナスイオン』とかに通じるダメさかげんを感じますねえ.

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2011年8月11日 (木)

リスクの実際と対応

skyさんのところにもあった件なのですが.

実施の可能性探らず 「大文字」被災マツ中止(京都新聞)

 東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市のマツを大文字の送り火で使う計画が中止された問題が波紋を広げている。経過を検証すると、放射能汚染の不安の声を受け、大文字保存会(京都市左京区)と京都市が相談を重ねたものの、一度は引き受けた事柄の重大さと、中止による反響の大きさを真剣に検討しなかった両者の自覚の欠如が浮かび上がる。

 「(全数の)放射能検査は安全、安心のため。送り火でたく前提だった。検出しないのにやめる選択は思っていなかった」。9日の市議会の委員会で、中止の経緯に関する質問に対し、市の担当部長はこう説明した。

 マツ受け入れの計画が持ち上がったのは6月中旬。報道で知った市民からは「放射能をばらまくのか」などの意見が市に約40件寄せられ、保存会にも「琵琶湖の水が飲めなくなる」と抗議があった。

 検査は7月下旬、市文化財保護課と保存会が、陸前高田で集まったマツの薪約300本すべてのかけらを採取して行った。既にサンプル検査でセシウムは未検出だったが、飼料の稲わらの放射能汚染の拡大を受け、両者で追加検査を決めた。

 結果は4日に出てセシウムは検出されなかったが、保存会ではその時点で受け入れ中止が固まっていた。

 保存会関係者は「中止の影響の大きさは議論になったが、放射能の不安を払拭(ふっしょく)できないという意見が消えなかった。送り火に参加しないという会員もいた」と話す。こうした、会の内部で溝が埋まらない状況を市は十分把握していなかった。

 保存会は大文字山のふもとの45軒が会員。木の確保や点火作業をボランティアで受け持つ。大文字を含む五山の運営は各保存会で決め、市は直接関与しないが、企業や団体でつくる送り火の協賛会を通じて点火作業に補助金を支出している。

 9日夕までに市と京都府に寄せられた意見はメールを中心に1100を超え、大半は中止への抗議という。同日の市議会で西出義幸文化市民局長が「対応を明確にしていれば影響は抑えられた」と答えたが、被災地の思いをくみ、両者がとことん実施の可能性を探った形跡はみられない。

こんな腰の引けたダメな対応ってあるでしょうか.
『私たちは合理的に判断できないし,判断しません.』
という表明のようなものになってしまうという危機感はなかったのでしょうか.

>報道で知った市民からは「放射能をばらまくのか」などの意見が市に約40件寄せられ、保存会にも「琵琶湖の水が飲めなくなる」と抗議があった。

こういう反応が少ないながらもあるのは想像できましょう,しかし,そういうことにはならないっていうこともきっぱり言える範囲のことじゃないでしょうか.

リスク・コミュニケーション(wikipedia)ってものが行われていませんね.
それは国民がそういうことに慣れてないから?
ボタンのかけ違い,政府や学者がコミュニケーションより先に信用を失ってしまった?

対応の遅さ,ロードマップが示されない不安,何を信じていいかわからない状況にしてしまった責任は大きいですね.

※追記

もう思い無駄にしない 大文字保存会が謝罪(京都新聞)

 岩手県陸前高田市から新たに届いたマツを送り火で受け入れる方針を決めた大文字保存会(京都市左京区)は11日、当初の中止から今回の決定までの経過について謝罪した。五山がそろって被災地のマツを燃やすことになり、慰霊と復興祈願の火をともす16日夜に向けて思いを新たにしていた。

 「陸前高田市の皆さんや京都市民など、多くの皆様に迷惑と心配をかけた」。大文字保存会の松原公太郎理事長(58)は11日、京都市左京区の保存会事務所前で沈痛な表情で語った。

 新たなマツの受け入れについて11日未明まで5時間以上に及んだ理事会で議論したことについては「いろんな意見もあり揺れたのは確か。心理的プレッシャー、言葉にできないものがそれぞれにあった」と説明した。

 議論の中で、ほかの保存会から「五山そろってやることが良い」との呼び掛けがあり、京都市から放射能検査について「責任を持つ」との回答があったとして理解を求め、11日朝に最終決定した。

 中止した当初の計画に携わった陸前高田市の関係者にも連絡し、「理解まではいかないが、了解いただいた」という。

 京都市との関係について「多少の行き違いはあったが、修復したい」と述べた。被災した人たちへの思いを問われると、「点火終了後に現地におわびに行かないといけないと考えている」と何度も頭を下げた。

ということで,一応の対応が取られたということはよかったと思います.

※さらに追記,今度は一転,セシウムを検出したので再びとりやめ.後味の悪い迷走.

被災マツ「送り火」断念 セシウムを検出(京都新聞)

 京都市は12日、「五山の送り火」に岩手県陸前高田市のマツを使うことになっていたが、表皮部分から放射性セシウムが検出されたため、使用を断念すると発表した。

 市によると、民間の検査機関で同日、500本のマツの表皮を少しずつ切り取って1検体として検査した結果、1130ベクレルのセシウムが検出された。

 市文化財保護課は「誠に残念な結果だが、中止せざるをえない。被災者や多くの市民にご心労をおかけして申し訳ない」と謝罪した。

表皮だけを測ったんですね.表皮を除けば検出されていない.表皮を剥いだらいいでしょうに.とにかく及び腰.

陸前高田のがれきでも検出されてたんだからフォールアウトで表面に付着しているだろうことは当然考えられることじゃないでしょうか..

陸前高田の松、再び使用中止=表皮からセシウム-五山送り火のまき・京都(時事.com)

 まきは陸前高田市で既に盆の迎え火として燃やされたため、京都市は高田松原の松で作ったまき500本を新たに取り寄せ、安全性を確保するとして放射能検査を実施。全ての表皮を集め検査した結果、セシウム134が1キロ当たり542ベクレル、セシウム137が同588ベクレル検出された。表皮以外からは検出されなかった。

※すみません,さらに追記
経緯は『薪』として使用することを一時中止して,『護摩木』として燃やすことにしたわけですよね.
陸前高田の松、「大文字」も使用=京都の五山全てで護摩木に(時事.com)

表皮は護摩木にならないんじゃないでしょうか?
表皮を燃やすわけじゃないんですよね?
護摩木の放射線量を測るべきじゃないでしょうか?
これ,本当に腹立たしいのですが..

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2011年8月 2日 (火)

原発関連リンクに追加

RZR/3さんから紹介いただいたので追加.
児玉龍彦さん(参考人 東京大学先端科学技術研究センター教授 東京大学アイソトープ総合センター長)の厚生労働委員会での発言・提言(リンク先中央)です.

放射性物質の拡散された総量を考えると事態は非常に深刻だということをおっしゃっているんだろうと思います.
総量を把握するためにも広範囲で細かいグリッドでの測定が必要だし,必要だったろうということには全く同感です.
隠ぺいとかいう以前にわかっていないんじゃどうにもならんだろうと思います.

※追記です.
児玉教授のこの発言が広く話題になっているのと同時に,ご子息からのツィートがあります.

親父のスピーチを見ていただいた方に、一つだけお願いさせてください。父は影響力のある科学者ですが、同時に病気の妻を抱えた58歳のただの男です。一人ですべてを解決できるわけではありません。本当に状況が良くなるために、一人一人ができることがあると思います。

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