原発事故に感じること
『レベル7』について思うのは,当初もっとモニタリングの規模や精度を上げて放射性物質の放出量の推定をもっと早いタイミングで出来たんじゃないか?ということです.
そうしたところで,『隠している』とか『過小評価している』と言われはするのでしょうけど,とにかく後手後手感が印象を悪くします.
私自身はIAEAはじめ各国が衆人環視している中で東電や政府が都合の悪いデータを『隠す』なんてことは難しい状況なんじゃないかなと思っています.
不信感もありますが,『隠している』と言い切るまでの確信もありません.
極めて悪いシナリオの中にあって,大気中に拡散された量がチェルノブイリとは違い,(現時点では)限定的で,放射性物質の大部分が現場近くの水中に含まれているのは,悪いことではあるけど最悪ではない.
ただ,まだまだもっと悪くなる可能性は残っています.
難しい状態にあるのはちっとも変わっていませんし,やるべきことも当初から変わっていません.
そういう綱渡りを上手く,早く渡りきって欲しいと願うばかりです.
あと,いろいろ,散漫になりますが..
左のリンクに入れた 全国の放射能濃度一覧 はよくまとまっていてデータの可読性の良さに感心してしまいます.
最近アップされた 原子力保安員の報道資料 も本家ではリンクの羅列で内容を確認するまでのネストが深いのですが,ここではプレビューが出来てわかりやすいです.
シミュレーション..
これが現実に起きていることを可視化していると思っている人がいるらしいですね.
入力するデータやパラメータで『何の変化を見ようとしているものか』がわかっていないと誤解を招きます.
あと,一般の人は対数で振られている等高線の量的イメージをリニアに見てしまうかもしれないし,派手に色分けされた視覚的イメージのインパクトがいきおい強くなってしまうのではないかと感じます.
今まで大気中のシミュレーションが主でしたが,文部科学省より
(参考)海域における放射能濃度のシミュレーションについて
が発表されています.
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コメント
本家本元(?)のロシア科学アカデミーが「チェルノブイリはこんなもんじゃない。」と威張っているようですがHiHi
私も「都合の悪いデータを隠している」とは思いませんね。
それ以前の問題で、状況を判断できるだけの十分なデータを得る事が出来ないでいるんじゃないかと思います。
何にせよ具体的な解決策がまだ決定されていない状況のようですね。
いろいろと周囲の意見を聞いてはいるようですが、現状の破損した配管やポンプを復旧させて冷却すると言うのはいかがなものか・・・と。 それでシステム全体が正常に稼働するかどうかも判らない訳ですしね。
あらたな冷却システムを外部に設けてやったほうが早くて確実なような気がします。
投稿: jh7めv/職場 | 2011年4月14日 (木) 09時50分
とりあえず循環系の冷却に持っていかなきゃいけないんだけど手強い障害のため辿り着くまでには時間がかかりますね.
その間も綱渡りで,コケたらもっともっと大変なことになる.
比較的低レベルの汚染水1万5千トンの放出がけしからん,というご意見もあるようだけど,近隣・諸外国への配慮,事前協議が遅かったことの対応のマズさですよね.
これもスピード・タイミングが後手後手の問題.
実質的な影響は高濃度の汚染水にしてみたらポリタンク1本にも満たないものだったでしょう.
感情論を巻き起こす前にその理解は得られたのでは?
1万5千トンでも『魚を食べても健康に影響は...』なんて言ったところでピットわきのいつから始まったのかわからない比較的高濃度の漏洩水の前には意味がないでしょう.
投稿: Yamada | 2011年4月14日 (木) 12時40分