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2009年3月18日 (水)

グールド,YAMAHA,Azumaさん

A Romance on Three Legs: Glenn Gould's Obsessive Quest for the Perfect Piano A Romance on Three Legs: Glenn Gould's Obsessive Quest for the Perfect Piano
Katie Hafner

Bloomsbury Pub Plc USA  2008-06-10
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以前話題に取り上げました"A Romance on Three Legs" という本なのですが,ざっと言うとグールドがSteinwayのCD318という楽器とどのように出逢い,生涯を共にしたか,また楽器提供,調律・調整,音楽制作に関わった人たちとのエピソードで綴られています.

ある時,公演先からの運送事故でCD318が壊れてしまってからというもの,グールドの落胆ぶりは想像を超えたものだったでしょう.
その後,他に納得の出来るピアノが見つからず,何度も修復を試みましたが甦らなかったんだそうです.

そんなグールドが晩年にもう一度ゴールドベルクを弾こうと思ったと..
センセーショナルなデビューを飾った楽曲も26年を経て思うところもあっただろうし,Dolbyなど新しい録音技術にも興味があったようです.

ほうぼうのSteinwayを試してもいい楽器が見つからず,とうとう契約外のディーラーまで訪ねて(極秘裏に営業時間外にショウウインドウに目隠しを施して)試弾して,初めて
『これは!』と思ったのがなんとYAMAHAだったそうです.
Gould_goldbrg そんなわけで,晩年のゴールドベルクはYAMAHAのコンサートグランドで演奏されているのです.
私は晩年の録音の方が好きでよく聴きます.
その試弾で出逢ったピアノを調律・調整していたのが,驚いたことに『日本の東光男さんという優秀な技術者であった』と本に書かれていました.
今も横浜でご健在のようですね,知りませんでした,私が知らないだけかもしれませんが...

東さんのホームページを拝見すると,この本の著者ケイティ・ハフナーからインタビューを受けていたことが記されています.
また,YAMAHA#1983300とグールドとのことについても本で読めなかった貴重なお話が述べられていて大変興味深いです.
グールド試弾のときのエピソード( 1  2 )も書かれていて,本の内容と一致します.
グールド・ファンの方はぜひご覧になって下さい.

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音楽・ギター」カテゴリの記事

コメント

晩年はグールド=YAMAHA CFのイメージでしたね。
当時CFは7,000,000万円でした。

フルレンジのスピーカーも「なるほど」と思う理屈・・・・
BOSE101でいいのかな(笑

先日実家からパイオニアのPE16の残骸が出てきました。

投稿: JA7QQQ | 2009年3月18日 (水) 12時35分

北米では最初の頃はYAMAHAなどはマスプロダクションの大量生産品というイメージだったのでしょうけど,東さんのような方々の努力でステイタスを築いて行ったんでしょうねえ.

投稿: Yamada | 2009年3月18日 (水) 12時41分

ご紹介のホームページは面白すぎます
昼休みだけじゃ足りないな、
CFのアクション構造を思い出しながら読みました。
(と言ってもしっかり把握しているわけではない)

真空管アンプの話もゆっくり読みたい、
残念、時間切れ・・・・

投稿: JA7QQQ | 2009年3月18日 (水) 13時01分

面白いですよね
お気に入りをご紹介できてよかったですHi

私は音楽雑誌とかさっぱり読まないのでわからないのですが
けっこう著名な方なのかもしれませんね.

投稿: Yamada | 2009年3月18日 (水) 16時31分

とても耳の良い方でいらっしゃるようですね。
特にスピーカーの表現が面白いと思いました。

ただ、確かに当時のJBL/TANNOYと国産スピーカを較べると
酒と言うよりは試薬アルコールを呑まされているような感覚が
ありましたけれど、現代のスピーカーでも同様なんですかねぇ。

ところで7,000,000万円はすごいぞ Hi
「万」が不要でしょうか

この方に依ると、Katie Hafner の執筆内容の信憑性に疑問を
投げかけるような感じになっていますけれど、実態はどうでしょう。
本の中の1トピックにそれほどエネルギーを割けなかったのかも
知れませんね。

投稿: JA7RHJ/熊谷 | 2009年3月18日 (水) 23時57分

記者らしく実際に取材しまくった情報で書いてるんだろなとは思います.
ただ,前に「共感覚」で感じたように微妙なニュアンスのところもありそうです.
私の英語力もアヤしいもんですが(汗

この件については東さんはショウウインドウの目隠しに紙を貼っていた,と書いておられますが,本ではセールスマンのRaphael Mostelが家からスーツケースいっぱいのシーツを持ってきてテープで貼ったと書いてありますHi

投稿: Yamada | 2009年3月19日 (木) 00時26分

とんでもない値段。
万はいりませんでしたね。

でも7,000,000円はCFⅢだったかな?
CFは4,000,000万位だったかな、
あの時代は急激に価格が上がった時期でした。

>酒と言うよりは試薬アルコールを呑まされているような感覚が
分かるような気がする
今でもそんな気がします。


投稿: JA7QQQ | 2009年3月19日 (木) 19時01分

私よりはオーディオにうるさいO君の話では,
LE8Tだとエッジの状態が心配と言ってました.
メンテナンスしていればいいですけどね.

それと管球アンプというのも,私はノーコメントです.
オーディオを迂闊に語る気にはなれないヘタレです(汗

ダブル・ブラインド・テストなら興味ありますが,
自分であれこれやってみて...という話は
あるレベルを超えると,ちょっと難しかろうと思いますね.

投稿: Yamada | 2009年3月19日 (木) 23時28分

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