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2008年9月27日 (土)

関東地区女性校長会総会に「水伝」

いささか出遅れなのですが,あまりにもひどい話なので書いておきます.

要約しますと,関東地区女性校長会の総会が「水にありがとうと言うときれいな結晶になり,バカなど汚い言葉をかけると醜い結晶になる」という非科学を主張する江本勝氏の講演を招致したということです.

以前書いたように,教育の現場で汚れた川に(かえってBODを上げてしまいそうな)EM菌の液を撒く運動とか,(全くの非科学で美醜と善悪の取り扱いが短絡的かつ杜撰に過ぎる)「水からの伝言」を“いい話だから”として道徳の授業の教材に使ってしまうということの問題が今も存在し,しかも校長という立場の人がそれをさらに広めてしまう可能性があるということに脱力感を感じます.

教育者の方々にはもちろん悪意などなく,むしろ善意で行われていることなのでしょうけど,“善意”でOKにしちゃいけない問題点を孕んでいことを指摘せざるをえません.
「水からの伝言」もEMも,いわゆる疑似科学「波動」商法に結びついています,教育に持ち込むにはセンスが悪すぎます.

何が問題なのかよくわからないという方へおすすめするサイト↓

今回の問題に警報を発しておられる方々のサイト一例↓

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科学・疑似科学」カテゴリの記事

コメント

世の中困ったものですね。
「心イデオロギー」とでも言うのでしょうか、
そういうものを求めている人が多いことは確かなんでしょうね。

ちょっと違うかもしれませんが「・・・感情」などという言葉が使われて
司法解釈まで影響を与えていますからね。

子供たちに「思いやり」や「豊かな感性」を与えるなら良いのですが
自己中心的な「うわべだけの優しさ」や根拠のない「おりこうさん」は要りませんね。

投稿: JA7QQQ | 2008年9月27日 (土) 11時36分

「クリチカル・シンキング」が足りないっていいますか,悪気は無いんでしょうけど突き詰めて考えようとしないのが困りますね.

本来,科学的根拠が大事な「環境」とか「エコ」にほわっとした安らぎを求めて逆に間違った方向へ向かってしまうのをよく見かけます.

「科学」に勝手な窮屈なイメージを持ち,「科学は万能ではない」とか科学者が主張もしていないことを言ったり,「科学でわからないこともある」とかあたりまえのことを言いながら科学を敬遠したりします.

科学は自然界で起こることを『うん,今の時点ではそういう説明でいいんじゃないの?』と多くの人が納得できるものを組み立てる手順であって『科学ではこう決まってるのじゃ!』と裁くものじゃない,もっとものわかりがいいヤツなのです.

だいたい,科学が万能ですべて科学でわかっているなら科学者にやってもらう仕事が無いってことになります(笑

LOHASも「ロハス」になって,何かライフスタイルのようになってますけど,もともとは環境やエコに関心を示す階層を経済的にターゲットとする経済用語なのですね.
日本に入ってきて雑誌で取り上げ,今のような風潮になってますが,広告代理店や商社が暗躍しているのですよね,「ロハス」を商標にしようとして断念したようですが.

こう言うと,善意の人に水を差すような形になるのが歯痒いのですが,善悪と正否は別ものですからね.

投稿: Yamada | 2008年9月27日 (土) 12時51分

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