共感覚
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グレン・グールドに関する本,"A Romance on Three Leggs"を少しづつですが読んでます.ここまでの感想.(拙い英語力につき,勘違いがあるかもしれませんが)
少々ネタバレになってしまうのでこれから自分も読みたいという人は以下は飛ばしてください.
冒頭はトロントでのグールドの生い立ち,その天才ぶりや奇行についての逸話で始まり,かと思うと一転してサスカチュワンの田舎の極貧の家庭に生まれた視覚障害を持つVerneという少年がオンタリオの盲学校へ進み調律の技術を身につけていく話になります.
その二人がつながっていくわけですが,グールドの天才ぶり・奇行はおなじみの伝説めいた逸話の連続ですし,視覚障害を持つ人が職業訓練で調律の技術を身につける,ということもよくある話なのかなと思います.
その上で,ここまで読んだところで興味を引いた,ポイントとなる言葉が
「共感覚・synesthesia」(wikipedia)です.
共感覚って言葉は初めて聞きましたが,つまり,音の高低や数字を同時に色の違いとして感じたりする知覚を持つ人がいるということです.
私は作者がグールドとVerneをこのキーワードで何か意図的に強く結び付けようとしているように思いました.
まず,冒頭10ページあたりに母親の談として『三歳のころ彼はドの音がどのように響くかを,人が色を青だと認識するように理解していた.』と書いています.
そして次章でVerneについては,Verne自身は生まれつき数字や音に対して共感覚を持っていて,彼自身はこの特異な感覚について他人には誰にも話しませんでしたがグールドに初めて打ち明けた時,グールドはそれを聞いて『世にあるごく自然な現象であるかのように反応した』と書いています.
これを読んで私は最初,「グールドもVerneも同じ共感覚の持ち主だったんだ」と早とちりしてしまいました.
しかし,後述の娘の意見を聞いて改めて読み返してみると,ここまでのところに,グールド自身が共感覚だったとダイレクトには書いていないようです.三歳のころの逸話が伏線のように頭に残る書き方なのだなと感じました.
(この先,ズバリ書いてたらどうしよう;汗)
wikipediaによると,
>共感覚の中でも、音楽や音を聞いて色を感じる知覚は「色聴」といわれる。絶対音感を持つ人の中には、色聴の人がいる割合が高い。
ということなので音楽やってる娘にちょっと聞いてみたところ
こないだ音を色で見るか?っていう人とインターネット上で議論したけど、あたしはドだから何色…とかはなくて、楽曲の流れの中で、和声的、対位法的に持つ役割を無意識に考える中で、色だけでは括れないけど、温度とか、柔らかさとかを感じてるよ.
その人には、C durの四度とG durの一度は、音は同じでも曲の中に入ると、イメージも色も、勿論理論的にも違うと説明した。例えば作曲家も、調性の特徴を踏まえて、その調性にした意味を与えてるとも思う。
そういうのを理論的に全く理解していなくても、感覚だけで把握して演奏してる人の演奏を、右脳的だと感じる。逆に理論で理解してても、機械的にしかアウトプット出来ない人の演奏を、左脳的だと思う。
あたしが感じてるものが共感覚かはわかんないけど、そういう感じはあるんじゃない?あたしにとっては共感覚というか、右脳と左脳のバランスの取れた演奏が理想.
グールドは、ドだから何色って感じてたの?この曲のこの音は・・・っていうのなら絶対音感があって和声や対位法の理論を理解している人には、多かれ少なかれ見えるもんじゃないのかな??
なるほど,一音一音に違う色が見えるという共感覚と,調性の違いで表情が変わるってことは似てるけど違うもの,でも容易に想像できること,ってことでしょうか.
グールド・リスペクトな娘.Bachを弾く時は低い椅子を好み,ペダルは出来るものなら極力使わないとか(笑
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コメント
芸術なんだね
音楽家も画家も
一般人と感覚が異なるらしい
投稿: sky | 2008年8月23日 (土) 10時15分
個性でしょうね.
そういう感覚が無くてもいいパフォーマンスが出来る人はたくさんいますので.
絶対音感は体調が悪いときなど,気になって生活の障害になることもあるようですが,共感覚のほうは意外と邪魔にならないらしいですねHi
投稿: Yamada | 2008年8月23日 (土) 15時29分