美顔器とかナノとか
『友達がプラチナの微粒子がスチームでどうのこうのって美顔器を買ったらしいよ. 金属取り込んで大丈夫なの?って聞いたら,説明書では“使いすぎないように”みたいなことが書いてあるらしい.』
とカミさんが言います.
あー,あの松下のやつでしょうか.
白金ナノコロイドといえば触媒還元作用で活性酸素を除去する“らしい”ということで化粧品やら健康食品分野で見かけますね.
厚生労働省の「健康食品」の安全性・有効性情報によればプラチナ/白金ナノコロイドは人に対する効果も安全性もわかっていない,ということでよろしいでしょうか.
そもそも,松下の製品のナノコロイド発生方法をみると化粧品や健康食品での生成方法と違うので,放電で作られるナノコロイドが安全なのかどうか?も独自に検証しないといけないと思うのですが..
というか,活性酸素を除去と言いながらオゾンはどうなってるの?という疑問. これは他社のなんとかイオン商品においても同様.
白金ナノコロイドは東大の宮本教授の研究が注目されているらしいですけど,リンク先を読むと研究の発端が
>世界には万病に効くと言われる「奇跡の水」と称されるうそ臭い天然水が幾つかある。
から始まっているのですねえ.
こちらを読んでも仮説を検証途中と拝察しました.
しかし,私のようなシロウトが東大教授のおおせになることについて何か申し上げるのはまことに畏れ多いのですが,
「教員からのメッセージ」
私は日本の天然水を数々飲み比べてきましたが、確かにこの富士山の湧き水には変な風味がなく、飲んだ後に甘いテーストが口の中に広がり、ミネラルが豊富であることを感じました。「あー、沼津市民は幸福だな。」と思いました。しかし、水道局の所長さんのお話では、「この湧き水をそのまま水道水とすることは法律上できませんので、次亜鉛素酸(Yamada注記:塩素酸のタイポでしょう)を混ぜてから水道水として使用しています。」とのことでした。法律とはそんなものなのでしょうか?結局、美味しくてしかも体に安全な水を得るには、沼津市民でも浄水器を付けて次亜鉛素酸を除かなければならないと言うことになるのでしょうか?何か残念ではないでしょうか?
生命科学をやる東大教授にコンタミの知識がないわけがないし,水道水に残留塩素が無かったら感染症のリスクが..とか,それも知らないわけがないと思います.
それをこういう言い方をするのは解せません. 一般大衆に受けることに志向しているのかな?とも感じました.
ナノ素材のリスク評価の方も進行中なわけですが,中西準子さんの記事などを拝見しますと,効果をうたう製品や研究に比べ,リスク評価の研究の方がまっとうに感じられるのは私だけではないと思うのですが.
| 固定リンク
「科学・疑似科学」カテゴリの記事
- Snoopy in Space(2019.07.19)
- やったね、はやぶさ2(2019.07.11)
- はやぶさ2、2回目ゴー!(2019.06.25)
- タッチダウン(2019.03.05)
- はやぶさ2(2019.02.18)
コメント
>効果をうたう製品や研究に比べ,リスク評価の研究の方がまっとうに感じられる
こういう製品の場合、効果とリスクを両方並べて書けばどうなんでしょうかね。
メーカーできちんと両方把握していれば、なにも問題ないはず。
それを、効果だけ書くからおかしなことになる。
消費者に誤解を与える、って誤解するような書き方しないで言い切れば?
投稿: sugiyama | 2008年5月16日 (金) 13時16分
わかっていないリスクを書くメーカーはありませんね.
“ありそうな” 効果は自社の実験でよさげなデータが出れば,
(よそで再現できないものでも)『確認された』と書けば
ウソじゃありません.
他社商品と差別化して売らなきゃいけないのがメーカーですから.
消費者に『お,そうなのか?』と思ってもらえば勝ちですね.
投稿: Yamada | 2008年5月16日 (金) 18時46分