« 無邪気すぎ | トップページ | 大集合 »

2011年5月26日 (木)

注水,ベント

なんか,もう,皆さんもドタバタ続きであきれ返っていることと思います.

福島第1原発:海水注入中断せず、所長判断で継続 東電(mainichi.jp)

福島第1原発1号機で地震発生翌日の3月12日、原子炉を冷やすための海水注入が一時中断したとされた問題で、東京電力は26日、注入は中断せず、継続していたことが分かったと明らかにした。

 第1原発の所長の判断で続けていたという。

 東京電力が16日に公表した資料では、3月12日午後7時4分に海水注入を開始し、同25分に停止、午後8時20分に海水とホウ酸による注水を開始と記載。

 政府・東京電力統合対策室は21日、中断前の注入は東電による「試験注入」で、官邸の意向が伝わり東電が中断。その後、首相から海水注入の指示があり、午後8時20分に再開、臨界を防ぐホウ酸を加えたと発表していた。

 東電によると、福島第1原発の所長は「国際原子力機関の調査があり、国際的にもいろいろ評価することを踏まえ、事実を報告する気になった」と話しているという。

 福島第1原発1号機で海水注入が継続していた問題で、東電の武藤栄副社長は記者会見で「(同原発の)吉田昌郎所長の処分を検討している」と話した。

 ◇班目委員長「私は何だったのか」

 海水注入の中断をめぐる発言が注目を浴びた原子力安全委員会の班目春樹委員長は26日、注入が継続していたことを受け「私はいったい何だったのか。頭の中は相当混乱している」と話した。(共同)

注水継続の吉田所長、処分も検討…東電副社長(Yomiuri Online)

 東京電力の武藤栄副社長は26日午後の記者会見で、福島第一原子力発電所1号機の海水注入の一時中断を見送った吉田昌郎所長の処分について、「それも含めて検討する」と述べた。

 武藤副社長は、海水注入を継続したことについては「原子炉を冷やすうえで大変正しい判断をした」としたが、「報告の在り方やその後の対処について、これで良かったか検討する必要がある」と述べた。処分の内容、時期については「慎重に考えたい」とした。

吉田所長としては『待ったなしの現場』の立場から注水を止めるわけにはいかない,と「大変正しい判断」をしていたわけですね.
そして,いま武藤副社長が吉田所長の処分を検討している..と.

誰が正しい判断をしていて,誰がそうじゃなかったか?

ベントについて,政府に近い人の話ということで下記のような話が出ています.
これによれば,吉田所長が一刻も早いベントを望んでいたのに,武藤副社長がその効果に懐疑的で言い争いになっていた,ということですね.
結果的にはベントが遅れ,悪い方向に進んできてしまったわけです.

In Japan Reactor Failings, Danger Signs for the U.S.(NewYork Times)

The government became rattled enough that it ordered Tokyo Electric to begin venting. But even then, Tokyo Electric’s executives continued to deliberate, according to a person close to government efforts to bring the reactors under control. The exchanges became so heated, the person said, that the company’s nuclear chief, Vice President Sakae Muto, and the stricken plant’s director, Masao Yoshida, engaged in a “shouting match” ― a rarity in reserved Japan.

Mr. Yoshida wanted to vent as soon as possible, but Mr. Muto was skeptical whether venting would work, the person said, requesting anonymity because he is still an adviser to the government and is not permitted to comment publicly. “There was hesitation, arguments and sheer confusion over what to do,” he said.

『親分』と『現場』との間には大きな認識のズレがあったわけです.
私は『現場』に大いなるシンパシーを感じます.
やっぱり,当初からの違和感どおり,組織の問題だと思います.

|

« 無邪気すぎ | トップページ | 大集合 »

震災」カテゴリの記事

コメント

この問題もそうなんですが
あの汚染水の移送問題
小学生でも簡単に分かるはず
毎日どれだけの水量を大きな箱に入れる
何日したら満杯になる
箱が足りなくなる、溢れる・・
子供以下の集団なのか
後手後手の対応、人が誰も他にいないのか?
あきれて物が言えない

投稿: sky | 2011年5月27日 (金) 06時31分

現場のプロはわからんわけないと思ってるのですね.
決定権を持っている人間に見識が備わってない悲劇かな?と思ってます.
現場のモチベーションが下がりまくってるのでは?と危惧します.

これは査察でも入らないとブレーキをかけたエラい人が責任も取らずに非常時の中,『言った』『言わない』のくだらないやり取りを繰り返し,高い給料をもらい続けることになります.

で,現場は正しいことであっても「勝手にやった」と処分される?これはどうなのか.

他人事に思えなくてねえ..Hi

投稿: Yamada | 2011年5月27日 (金) 08時03分

これは極めて「お役所的」ですね。
私の一番苦手な思考方向です。

投稿: JA7QQQ/8 | 2011年5月27日 (金) 08時40分

う~ん 上の人間が正常な判断が出来なく、しかも危急の問題が発生しているとなれば現場の責任者は当然のことながら自己の判断で行動する・・ 私としては「その通り!」と思うのですが、会社の点前としてはそれを許さないんですよね。
そして現場の責任者がズバっと切られる・・と。
私も同じ経験を何度もしましたし「間違っているゾ」と、どんなに主張しても「コンプライアンス」とか「管理至上主義」を振りかざして踏みつぶす。  大会社になればなるほどその傾向は強いですね。
でも根本的な問題として、会社を守るために「コンプライアンス」や「管理」が存在するわけでは無い・・と言う事に気が付いていないと言いますか、それらを自分の都合のよいように解釈して耳触りのよい部分だけを利用するんですな。 困ったちゃんだね。

投稿: jh7めv/職場 | 2011年5月27日 (金) 09時08分

>これは極めて「お役所的」ですね。

そうですね,官僚型..
前線の事情に対応した素早い意思決定は軍事に倣わなきゃいけないのかなとも思います.


理詰めで話を突き詰めていきますと
『管理者のオレが責任をとればいいんだろ.』
とか言いだしますが,まあ普通は責任取りませんし,いくら責任をとりたくったって現場責任者の責任を管理者が全部とれるわけがないんですよね.

>コンプライアンス

非常時にはISOみたいなもんは,いとも簡単に吹き飛びますね.

投稿: Yamada | 2011年5月27日 (金) 09時59分

あーーなんで俺が社長の時に起こるかなぁーくらいにしか考えていませんよ。
原発関連ははこういう体質と感じています。何か事故、トラブルが起きても平気で
次の事故、トラブルが起きますしね。普通の会社では考えられないと思いますよ。
トヨタとか大企業のQC関連の管理者が入ってたて直ししたほうがいいのでは?

投稿: sanyoshi | 2011年5月28日 (土) 08時24分

理系オヤジの愚痴以下ではダメすぎるのですよね.
マネジメントする人にリーダーシップや判断力がないんだろうなー
あと情報が不足している上,分散してるんでしょう.

センサの健全性の確認とかモニタリングの強化とか,もっと早くやっとかないといけませんでしたよね.
『隠している』というより『わかってない』んでしょう,こっちのほうが深刻.
ただ,やるべきことは最初から変わっているわけではなくて障害が後から後から山積みに..気が晴れませんねえ.

投稿: Yamada | 2011年5月28日 (土) 11時39分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/126022/51774672

この記事へのトラックバック一覧です: 注水,ベント:

« 無邪気すぎ | トップページ | 大集合 »