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2006年10月17日 (火)

訃報に接し電磁波のことなど

国立環境研究所上級主席研究員の兜真徳さんが亡くなられたとの事でご冥福を祈ります.

兜さんと言えば電磁波リスクの研究をされ,「電磁波(極低周波電磁界)で小児白血病発症率が倍増」とする調査の中心人物であったと記憶しています.
私としてはその調査はサンプル数が少ないこと,交絡要因が排除しきれていないのではないか?という疑問から精度の高いものではないだろうと思っていたし,実際,その調査研究についての文部科学省の評価は「C」であったことなどが思い出されます.
このあたりは中西準子先生のHPから雑感207が参考になるかと思います.

電離放射線,熱的作用,刺激作用など解明されていること以外の電磁波のリスクでグレーゾーンとされるのは極低周波の交流磁界ぐらいでしょうけど,上記のような疫学研究のいくつかでクロとされたものの,実験研究で証明された例が一つもないという状況から,私個人としてはリスクはあったとしてもそれほど高いものではなかろうと思っております.
一方,危ないと言われる物からは回避したいと個人で考え行動されることはもちろんけっこうだと思います.
ただ,確認されていないリスクについて「予防的」に対応しようとする法律や政策の話,環境基準となると,どうかな?と思います.
きちんとリスクのレベルやコスト,効果を評価しないとその予算を別のことに使ったほうがもっと多くの人命を救えたかも?みたいな話にならないか危惧します.

そういった意味で中西先生のようなリスク学者が電磁波についてどう考えるか非常に興味のあるところですが,先日「電磁波による健康影響(環境省調査)」という記事を書いておられました.
環境省から出た二つの報告書

について雑感を述べられています.
奇しくも第一部をまとめられたのは兜さん等らしいのですが,これについて中西先生は

あまりまとまったものではなく、全体に散漫な報告である。また、二度も三度も同じことが出てくるので、全体の脈絡がとりにくい。杜撰な仕事だ。どこに何が書いてあるのか、それが分かりにくい。

と手厳しいです.
いずれにしても科学的不確実性のあるものについてどのような基準を作るのか重要な時期にさしかかっていると言えるでしょう.

重箱の隅ですが先の中西先生のサイトの中で,

1) WHOが静磁界の影響と、超低周波電磁界の影響に分けて、健康影響モノグラフ(環境保健基準:EHC)を近々発行すること。静磁界とは、電流の変化により生ずる磁場のこと。超低周波の電磁場とは、非常に波長の長い電磁波で、しばしば問題になるのは送電線などの影響である。

とありますが,「静磁界とは、電流の変化により生ずる磁場」は間違いかと思います.
「静磁界とは定常電流により生ずる磁場」だと思います.

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コメント

電磁波をキーワードにこのブログを拝見
足跡を残します。

投稿: bemsj | 2007年3月17日 (土) 00時06分

あ,bemsjさん,こんにちは
佐藤先生のBBSなどにもおじゃましている青森の山田です.
こちらでははじめましてですね.
今後ともよろしくお願いします.

投稿: Yamada | 2007年3月17日 (土) 10時40分

久しぶりにこのブログに足跡を残します。

投稿: bemsj | 2009年1月 7日 (水) 06時18分

bemsjさん,お久しぶりです

電磁波関係は新しい動きはないのでしょうか.
マスコミもエコや温暖化に耳目が集中していますね.

投稿: Yamada | 2009年1月 7日 (水) 08時28分

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