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2006年9月29日 (金)

機能水

朝,通勤の車中,TBS系ラジオ「日本全国8時です」で東大名誉教授で工学博士の月尾嘉男(つきおよしお)さんの話を聞きました.
この番組は毎日分野の異なる方々が話をするのですが,月尾嘉男さんは理系の話を聞ける数少ないお方です.
お天気森田さんもいますが,あの方は理系の香りがほとんどしない(^^;(失礼)

その月尾さんが「機能水」について話しておられました.
たとえば,ナノバブル水という微小な気泡を含んだ水で海水魚と淡水魚が同時に棲めるというデモンストレーションの話,オゾン水殺菌の話や「電解水」という電気分解で作る水での殺菌の話,腹部愁訴に効果があるというアルカリイオン水の話など...

「機能水についてはわかっていない事も多い.怪しい商品も存在する.」と釘を刺しながらも月尾さんはこれらについてかなり好意的に話をされていたように思います.
日本機能水学会というのがあって機能水について

「人為的な処理によって再現性のある有用な機能を獲得した水溶液の中で、処理と機能に関して科学的根拠が明らかにされたもの」

と定義しているという説明もありました.
これらがいつもの調子に比べて歯切れが悪いというか,何か言わされているような感じさえ受けたのは私の読みすぎでしょうか.

月尾さんの好意的なお話に比べて私が以前から見聞きしている情報はちょっと方向が違います.
海水魚と淡水魚が同時に棲めるというデモは旧来○○ウォーターというダメなほうに分類される「奇跡の水」のデモとしてもやられていたようですが,生理食塩水濃度ならそれほど不思議な話じゃない水商売ウォッチングapjさん)ということです.

電解水についても小林映章(こばやしてるあき)さんの「水の話」を読むと(2.2.2 電解水から)

(電解水)

 後で述べるアルカリイオン水もそうですが、水に適当な電解質を溶かして電気分解を行ったいわゆる電解水が大々的に宣伝されています。例えば、強酸性電解水というのがあります。

 うすい食塩水を隔膜で仕切り、膜の両側に電極を挿入して電気分解を行ったとき、アノード側に強酸性電解水と称する水溶液ができます。殺菌力が強く残留性がないことから、驚異の水として病院や食品業界で話題になりました。

 機能水研究所がこの水を分析した結果が発表されています。その結果は殺菌力のある主成分として次亜塩素酸(HClO)と分子状塩素(Cl2)が検出されています。これはアノード側に移動したCl-が電極で電子を放出してCl2となるとともに、水と反応して次亜塩素酸が生成したものです。次亜塩素酸はpH5付近で最も殺菌力が強く、この条件が揃ったものです。この例はいわゆる電気分解で機能的な水が作り出されたものといえます。

 ただ一言付け加えるならば、次亜塩素酸の水溶液に希塩酸を加えてpH5前後に調節すれば、強酸性電解水と同じ水が得られます。こうすれば、高価な電解水製造器を必要としないことになります。

ということですし,同じソースからアルカリイオン水についても

 さて、上記のようなアルカリイオン水は、腹部愁訴に若干有効という結果は出ていますが、要するに弱い炭酸水のようなものですから、胃酸を調節しようするならばそのための薬を飲んだ方がよいでしょう。また、カルシウム分の補給という意味で考えると水道水の2倍程度しかありません。また、アノードにできる酸性水も殺菌力が期待できるとは考えられません。私達はアルカリ性という言葉に何か期待を抱き過ぎているのではないでしょうか。

とあります.
つまり,わざわざ高価な機械で電気分解するのと安価な薬剤を調整するのとどこが違うの?ということ.
素人ながらも私には説得力のある記述に受け止められます.

意味も根拠も無く「水が活性化する」みたいな自明のトンデモもありますが,グレーゾーンっぽいのも多数あります.
私は「機能水」については慎重に見ていきたいと思います.

※2006/09/30 追記 : こういう番組(TBS)もやっていたようなので月尾先生は以前より機能水については肯定的に受け止められておられるようですね.

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コメント

こんばんは。
マイナスイオンとか、機能水の話は本当に眉唾ものですね。

こちら徳島では、魚釣りが盛んです。夏の間は渓流では鮎のとも釣り、海ではアジを餌にしたアオリイカが人気です。釣り具屋の親父さんが曰くには、アオリイカを釣るならアジよりも鮎を餌にした方が、安くて生きがよいので、よく釣れるとのこと。

大体河口付近では、汽水状態なので、淡水魚も海水魚も混在しています。よく、近くの川に鰯の群が来たり、カレイだかヒラメが泳いでいたりしています。魚たちは、多少の塩分濃度の変化には、そんなに弱くはないようです。

家庭用のアルカリイオン水製造器などはまだかわいいほうですが、農家向けに何十万〜100万以上もするような装置が売りつけられているそうで、全くとんでもないことだと思います。仮にその水がその機能を持っているとしても、塩素や塩化カリウムや塩酸をちょっと加えるだけで同じ成分の水を安価に作ることが出来るのにです。

小さな会社だけでなく、大きな家電メーカーまでも大真面目で製品を販売していることは、全く信じられないことです。

投稿: JK1PHL | 2006年9月30日 (土) 01時50分

PHLさんこんにちは,コメントありがとうございます.

汽水域とか層流のあるところでは普通に海水魚と淡水魚が同居していますね.
塩分濃度次第でも慣れるようですね.
トリックのように使われるのはどうかと思います.

私の会社でも昨年,気がついたら営業が「交流」で隔膜も無く電気分解する機械を売ろうとしていました.
やんわり注意して,その後立ち消えになったようで,それは幸いでしたHi
不景気だといろいろヘンなものが寄ってきます.
○○イオン,ありもしない遠赤外線効果,熱エネルギー法則を無視した永久機関まがい...etc

高校の理科程度の知識で怪しいと気がつきそうなものですが,大学の工学部出身が受け入れてしまいます.

投稿: Yamada | 2006年9月30日 (土) 08時38分

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