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2006年8月 1日 (火)

プール事故_2

針金だけでふたを固定か 吸水口二重の防止設置せず(共同通信)

 埼玉県ふじみ野市の市営流水プールで、同県所沢市の会社員戸丸勝博さん(45)の長女瑛梨香さん(7つ)=小学2年=が吸水口に吸い込まれ死亡した事故で、脱落した吸水口のふたは針金だけで固定されていた可能性が高いことが1日、県警の調べで分かった。
 文部科学省はふたをボルトなどで固定するよう通知しており、県警は市教育委員会や管理委託を受けた施設管理会社「太陽管財」(さいたま市)の安全管理に問題がなかったか調べている。
 排水口にふたと格子金具による二重の事故防止策を設けるよう文科省が通知で指導していたのに、市教委は通知の内容を誤って解釈し、ふたしか設置していなかったことも判明した。
 太陽管財は同日の記者会見で、市教委に無断で業務を下請けに出していたことを明らかにし、ふたが外れ針金を取りに行っている間に事故が起きたと説明した。

ボルトの劣化どころか針金とは酷い話.

プールの排水口などに吸い込まれて重大な事故になるということが何度も繰り返されます.
一度話題になると注意も喚起されるのでしょうが,やがて担当者も代わり世代が一巡してしまうとまた緩んでしまうという周期があるように思います.

今回のことから離れますが,プールでは薬品にも注意しなければいけません.
塩素系の滅菌剤と凝集剤として使われるPAC(硫酸アルミニウム)は混ざると有害なガスを発生します.
また,滅菌剤も大別して無機系の次亜塩素酸系のものと有機系の塩素化イソシアヌル酸系のものがあって,見た目はそんなに違わないのですが両者を混ぜると激しい反応が起こって塩素ガスが発生したり発熱,発火に至る場合もあります.

それとイソシアヌル酸系の滅菌剤は管理が楽ということで使われることが多いようですが,反応の過程でpHを下げる傾向があり,pHをしっかり管理して酸性に外れた場合は調整剤で中和しなければいけません.
プールに新しい補給水を足さず,中和もせずに長期間イソシアヌル酸系の薬剤を投入しつづけると驚くほどpHが下がり,ほぼ希塩酸に近いまでの状態になる場合があります.

以前,新規納入したろ過装置が一ヶ月で「穴が開いた.」とクレームを貰ったことがあります.
調査した結果,プールの水質検査結果が残っておりpHが 2~3 (訂正:理由はコメント欄参照⇒)4.3という状態でした.
上記のような薬剤の使用がされていたのが原因でした.
このような酸性水をポンプで圧送するわけですから,ごく小さな腐食が発生しただけで水流で腐食部分が流され新たな腐食が発生,という悪循環で短期間に穴が開いたわけです.
もちろん,それ以前にこんな水が体にいいわけもありません.

学校回りをしていたころは毎回こんな説明をしていたものですが,担当者の代替わり,異動などでやがてリセットされてしまうという歯がゆさがありました.

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コメント

Yamadaさん こんにちは.
>担当者の代替わり,異動などでやがてリセットされてしまうという歯がゆさがありました.

私は鉄道関係の会社がお客様だった仕事をしていた頃がありましたが,3ヶ月程度で担当者が次々に代わる為もうあきらめの境地でした.いろいろな部署を経験させるのもいいのでしょうが,3ヶ月程度では,覚えられないと思いました.

投稿: TAMO | 2006年8月 1日 (火) 22時29分

TAMOさん,こんにちは

3ヶ月ごとに講習会やるわけにもいきませんよねえ.

学校プールなどでは新米先生にお鉢が回ってくることが多く,他の先生はおぼえようとしない.
私の前任者が
「学校の先生が一番デキが悪い.」
と言ってました.

投稿: Yamada | 2006年8月 2日 (水) 08時28分

Yamadaさん、こんにちは。おじゃまします。
PH2から3とは驚きました。プールの水を誤って飲んだ時に、喉が焼けるような刺激をうけることがありましたが、ご説明いただいたような理由だったのかと納得しました。

投稿: JK1PHL | 2006年8月 2日 (水) 09時16分

PHLさんこんにちは
当地は寒冷地で使用頻度も少なく,問題の表面化が遅れた例だと思います.
小規模のプールで担当者が補給水の必要性を知らず,ただ機械的に薬剤を投入した結果でしょう.投入量も間違っていた可能性がありますが.
見た目じゃわからないところが怖いですね.

投稿: Yamada | 2006年8月 2日 (水) 09時29分

PHLさん,すみませんpH値を訂正しました.

ずいぶん昔のことでうろ覚えで書いたため,昔の報告書を探したのですが見つからず,でも探しながら突然4.3という数字がフラッシュバックしてきましたHi
それと2~3は足洗槽だったような記憶も..

ま,ひどい酸性水ということには変わりは無いのですが,もうちょっと落ち着いて書けと自分に反省しております.

投稿: Yamada | 2006年8月 2日 (水) 20時42分

了解しました。

pH=4.3でも酷いですね。

去年、こちらでは主要なダムの貯水量が0%になるほどの記録的な渇水でしたので、プールに新しい水を十分供給していなかったのかもしれません。
流水プールの事故は本当に痛ましいです。またこの夏、よく遊びに行く海岸の隣の浜で、水難事故がありました。
危険回避には、正しい知識を持ち、想像力を十分働かせる必要があることを、再認識しました。

投稿: JK1PHL | 2006年8月 2日 (水) 23時04分

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