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2006年5月25日 (木)

ちょっと危険なゾーンについて

最初にお断りしておくと,私はオーディオの泥沼を少しは知っているつもりで,あえて足を突っ込まないことにしているのです.
多趣味人間だけどそこは野生的カンが「避けて通らなければアブないところ.と教えてくれるワケです.
ミニコンポ程度で(「音」じゃなく)「音楽」をそこそこ楽しめていればそのほうがハッピーさ,と考えることにしている人間です.

「泥沼に入りもしないで勝手なことを言うな!」

とお叱りを被るのならば,素直にゴメンなさいと引き下がりましょう.

で,夕べ寝床でラジオを聴いていたら「真空管アンプで究極の音を」とかいうエッセーのようなものが流れていたのです.
紹介するアナウンサーもその真空管アンプに心酔している様子でした.

「いい音」「究極の音」これを定義するのは非常に難しい話だと思います.

「“好きな”音」と言われるのなら何の抵抗も無く聞き流せるのですが,「究極のいい音」と,他には無いかのように断定される感じが何かひっかかるものがありました.
真空管ファンの方が大勢いらっしゃるのは承知していますが,それが真空管でなければ出ない究極のいい音なのでしょうか.
「真空管の音はやっぱり違う.」
とおっしゃる場合,違うというのは何がどのぐらい違って“いい音”になっているのでしょうか.
(これは「何かを否定している」のではなく単純に「ぜひ知りたいところ」なので真空管フアンの方にはお気を悪くなさらないよう,くれぐれもお願い致します.)
S/N,歪,位相,周波数特性などにおいて真空管というデバイスはそれほど有利とも思えないのです.トランス結合されていたりするとなおさら...

アンプの作者さんは「オーディオは測定器の奴隷じゃない.」という持論をお持ちのようでした.

一方オーディオ(低周波)よりも,高周波を手がける人たちは測定器に対してもっとフレンドリーな感覚を持っていると思います.
どう逆立ちしても高周波は自分の耳では聴こえませんし,測定器をあがめ奉ることにそれほど抵抗感はないのではないでしょうか.
私の工作部屋にもいくつかの測定器が君臨しています(たいしたものはありません)が奴隷を従えるように見えたことはありません.頼れるヤツです.
測定器のお力を借りて,なるべく「定性的」じゃなくて「定量的」に判断したいと思っています.
測定器に現れないものが厳然とあるとしたら,測定項目に見落としがないか?測定精度は足りているのか?を考えます.

そもそも亡くなった親父は真空管アンプ,スピーカキャビネット,糸かけターンテーブルを自作して音楽を楽しむ人間でした.
「音楽」を聴きたい,というのが第一で,そのために作るという姿勢でした.

私は,反発ではありませんが,オーディオよりは高周波へ向かい,真空管は早々と見切りをつけて半導体を手にとりました.
最近のデバイスの小型化には手を焼いていますが,双眼ルーペをかけ老眼と闘いながら多足動物的ICやチップ部品をいじくっています.

そういった部分では(高周波・大電力以外の)真空管にはそれほど思い入れを持っていないのは事実です.

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コメント

書きましたね

何処からか
トラックバックされそうですね
匿名で来るか、名乗るか見ものです

小生は何も言う資格がありません
子供のころ耳をやられ
仕事でもキーンという音にやられ
普通の人の聞く高い音域が聞こえません
オシレーターをいじっていると
静かなつもりでいても
家人より「うるさい」と文句が来ます

投稿: sky | 2006年5月26日 (金) 07時02分

そうですねHi
不毛な議論は望みませんので神経を使って書いたつもりですが.
真空管でなければ出ないとされる音が“いい”音なのかどうかは,かねがね理解が出来ないところでした.

投稿: Yamada | 2006年5月26日 (金) 07時45分

真空管にしろ半導体にしろ、規定の動作電圧や回路定数を確認する為には測定器は不可欠なはずですよね。
後の音は、コンデンサの位相やらなんやらで変わってきてしまいますよね、まして真空管だと電子の飛び出す時間やら、直熱管なんか使ったものならフィラメントの振動などで音が変わります。
挙句の果ては、配線材料の金属の種類や質だとか、本当の泥沼に陥り何をやっているのかわからないですよ。

「音楽」ですから自分で聴いていて気持ち良いのがいい音で、それはどんなデバイスを使っていてもかまわない。
究極の音などが真空管で出るわけは無いのです。

投稿: JA7QQQ | 2006年5月26日 (金) 09時26分

オーディオの世界における球の話しは良く分かりませんね。
結局本人の主観的な問題ですからね。
球だから出る音なんじゃなくて、球の回路だから出てくる音だと思っています。
だいたい私も子供の頃に2B弾(懐かしいや)を耳元で爆発させて右耳が難聴気味で、f特なんかは最悪ですよ。
そんな耳でも正常な左耳の聴感に合わせて自動的に補正してくれる人間の頭の中がすごいよな。

投稿: jh7めv/会社なの | 2006年5月26日 (金) 09時38分

QQQさん,くだんのお方のアンプはどうも直熱管で無帰還,タムラのトランスだけをよしとされているようで,それにもちょっと独善的なものを感じるのです.
「これが究極」じゃなくて「これもいいでしょ」ぐらいならいいのですが.

投稿: Yamada | 2006年5月26日 (金) 10時34分

私も他人が作った高周波アンプをメンテしていて,オイルコンにブリーダが入っていないとは気がつかず耳元でスパークさせてしまって以来耳鳴りが残りましたが,脳内DSPフィルタが働くようで普段はほとんど気になりません.

投稿: Yamada | 2006年5月26日 (金) 11時56分

Yamadaさん こんにちは.
私も大学生の頃は真空管式OTLアンプを使用していました.
しかしトランジスタアンプの特徴である出力インピーダンスが小さいという点で音質的には,真空管アンプはかなわないと思います.
真空管アンプは,一種のトーンコントロールが効いた状態で再生していて,その音が気に入った方には魅力でしょうが,私のように耳がよくない人間にとっては,自分の耳より測定器を信用します.
周波数特性が,可聴域の10倍以上伸びているるトランジスタアンプに軍配を上げたいと思います.
自転車通勤の途中にタムラデンキがあります.

投稿: TAMO | 2006年5月26日 (金) 23時50分

TAMOさんこんにちは

そうですね
フィルタを一枚通して撮った写真の表現力が好き,そういうのが真空管じゃないかな?と思うのです.
所詮,ソースそのもの,ピックアップからスピーカまで,何をやってもオーバーオールでリニアでフラットというわけには行かないでしょう.
でも泥沼は深くなるように思います.

真空管は部品点数が少ないしパーツも大きく,作るには取り掛かりやすいのですけど.

投稿: Yamada | 2006年5月27日 (土) 01時42分

真空管のヒーターの灯りが、暗い(もとい)ムードのある部屋では暖かく見える、のが好きっていう人も結構居るみたいですね。
出力トランス介しているせいでダンピングの甘い音が出ているせいか、「暖かい人間味」のある音だと言う人もいます。
出力音圧の低い低能率のスピーカーよりも、高能率のホーンスピーカーの方が相性がいいと言われるのもそのせいでは?

投稿: すぎやま | 2006年5月27日 (土) 07時49分

ヒータ => あったかい
音があったかい
この連想はよく聞きますね.
気分の問題で好き好きですが,究極の音は言いすぎですね.

ヒヤヒヤものでエントリした記事ですが
案外応援団が多いなHi

投稿: Yamada | 2006年5月27日 (土) 08時03分

真空管は好きですよ、でもね、好きと言うのと、究極のいい音とは別ですね。

ホーン型のスピーカーで思い出しました、昔JBLのパラゴンに内蔵する純正の真空管アンプを組み込む作業を手伝ったことが有りました、このアンプはパラゴンに組み込んだ時とオリンパスで鳴らした時では全く違う音がしていましたね。

本格的にやると泥沼、懐古趣味的にやるといい音、これが真空管かな。

投稿: JA7QQQ/シャック | 2006年5月27日 (土) 09時01分

ギターアンプならね,タマ(というより回路)の歪みあんばいがイイってことになりますが...
マーシャルっぽい音を出すためのエフェクタもありますねHi

投稿: Yamada | 2006年5月27日 (土) 09時54分

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